オムニチャネルと耳にされた方は多いのではないでしょうか。
オムニチャネルとは、
「オムニ」とは、「全ての」「あらゆる」という意。実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売・流通チャネルを統合すること、及び統合チャネルの構築によって全てのチャネルから商品を購入できる環境を実現すること。
概念だけでは理解しずらいので、事例をいくつかご紹介します。
下記はオムニチャネルを推進されているセブンアンドアイホールディングスさんでの事例です。
- Amazonで購入した書籍を自宅近くのセブンイレブンで受取る
- 西武百貨店で購入した洋服を、会社前のセブンイレブンで受取る
- イトーヨーカドーでヤフオクで落札した商品を受取る
このように、オンライン、オフラインという概念がありません。
では、マルチチャネルとは何が違うのでしょうか?
- マルチチャネル:複数の販路の組み合わせによる価値提供
- クロスチャネル:チャネル相互組み合わせによる価値提供
- O2O:実店舗とネットショップの組み合わせによる価値提供
- オムニチャネル:全ての販路の統合による価値提供
顧客を中心に、オンラインとオフラインの全てのチャネルを統合した一気通関した概念がオムニチャネルです。
なぜオムニチャネルなのでしょうか?
その背景には技術の進化とコストダウンにあります。
オムニチャネルを実現するには、全チャネルの顧客データを一元管理できるDBと、膨大なデータを容易に扱うことができるシステムが必要でした。
それを実現したのが、IBMやオラクル、アドビ、セールスフォース、SASなどです。
オムニチャネルは、上記企業の製品でもあるマーケティングオートメーションツールのコストが下がったことにより加速しました。
マーケティングオートメーションツールとは、興味・関心や行動が異なる個別な顧客=個客との個別なコミュニケーションを行うことが可能となり、マーケティング戦略での煩雑な業務を自動化するために開発されたツールのことです。
マーケティングオートメーションツールは、POSデータ、CRMデータ、アクセスログデータなど、あらゆるデータ統合・一元管理でき、導き出した一定の仮説をもとにしたシナリオをシステムに投げることで、自動的に分析し、自動的にアクションすることが出来ます。
1990年~2000年代初頭にOne to One Marketingという概念が登場しましたが、その頃に実現していた企業は限りなく少なかったかと思われます。
全てのチャネルをシームレスに統合できるようになったことで、本当の意味でOne to One Marketingが実現できる環境となりました。
この背景より、オムニチャネルであることがご理解いただけるかと思われます。
最後に、オムニチャネルは下記のような環境変化をもたらすと言われています。
- オンライン、オフラインの概念がなくなる
商品により、店頭の価値が希薄になる。よって実店舗の存在が強みではなくなる。
- 既存の枠組の概念がなくなる
オンラインショップでの市場規模が伸びれば、おのずと卸・小売への販売額は下がる。よって枠組みの変化が起こる。
- 360度競争時代
オンライン、オフラインの概念がなくなれば、実店舗もオンラインショップも全てが競合となる。
オンライン、オフライン関係なく、改めて経営、事業戦略を見つめ直すことが必要になることは間違いありません。
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