ユーザビリティテストを開発プロセスへ導入したサイト制作、アプリ開発などはまだまだ少なく思います。

大切だとおっしゃるお客様もたくさんいらっしゃいますが、問題は社内の環境であったり、委託側の説明不足であったりと、理由はそれぞれあるように思えます。

ユーザビリティテスト実施することで、ROIが高まるのか否か、ここに尽きるのではないかと思われます。

この話はいろいろなところで話題になっています。

ユーザビリティテストを実施したからこそ成果が出たという記事に対し、結果論だよねって意見もあります。

確かに結果論的なところはあります。

ただ1つ言えることは、サイトの改善などの保守・運用まで含め、中長期的な視点で高いROIが高いか否かではないかと思います。

ユーザビリティテストの実施有無での成果の違いを経験値で見える化してみました。

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あくまでも経験値を見える化しただけですのでつっこみどころ満載ですが、ご了承くださいませ。

縦軸をサイトの成熟度、横軸をROIにしました。

また、青線で濃いものをユーザビリティテストを開発プロセスへ取り入れローンチしたサイト、薄いものはユーザビリティテストを実施せずローンチしたサイトとします。

ユーザビリティテストの実施有無でこのように差が出るのではないかと思います。

プロジェクトの難易度、チームやプレイヤーの経験値など変数が多数存在しますが、それらを除外とした場合です。

上記の話題に戻ると、濃い線と薄い線の差分をきちんと説明できるか否かではないかと思います。

本題のユーザビリティテストがもたらす価値とは何かに通じますので、この点は最後にまとめようと思います。

順を追って進めてまいります。

ユーザビリティテストとは何か

ユーザビリティテストとは何か。

wikipediaには下記の通り定義付けされています。

ユーザビリティ (Usability) とは、「使いやすさ」とか「使い勝手」といった意味合いで使われることが多い。しかし、その語義は多様であり、関連学会においても合意された定義はまだ確立されていない。国際標準化機構によるISO 9241-11は、「特定の利用状況において、特定のユーザによって、ある製品が、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度の度合い」と定義している。※wikipedia参照

ユーザビリティとは、「特定の利用状況」において、「特定のユーザ」によって、「ある製品」が、「指定された目標を達成するため」に用いられる際の、「有効さ」、「効率」、「ユーザの満足度」の度合いと定義されています。

例えば、●●大学の●●学部を志望している高校2年生の●●君が、●●大学を見学したいと思っていました。部活が終わって家に帰り、お風呂も上がって少し落ち着いた夜10時頃、自分の部屋にあるノートパソコンから●●大学のキャンパスツアーを●●大学のウェブサイトから予約しようとしていました。

ユーザビリティの定義に照らし合わせると下記になります。

  • 特定の利用状況→部活が終わって家に帰り、お風呂も上がって少し落ち着いた夜10時頃、自分の部屋にあるノートパソコン
  • 特定のユーザ→●●大学の●●学部を志望している高校2年生の●●君
  • ある製品→●●大学のウェブサイト
  • 指定された目標を達成するため→●●大学のキャンパスツアーの予約

その上で下記の度合いが求められます。

  • 有効さ→探すことができる/アクセスできる/予約できる/予約確認できる 等
  • 効率→時間がかからない/手間がかからない 等
  • ユーザーの満足度→ムカッとくることがなかった/楽しみになった/夢が膨らんだ 等

上記のような定義がしっかりしていることでユーザビリティ=使い勝手を評価できることになります。

よって、ユーザビリティを評価するには下記の定義付けが必要になります。

■環境

  • 特定の利用状況
  • 特定のユーザー
  • ある製品
  • 指定された目標

■評価指標 ※指定された目標を達成するという環境が前提として存在する

  • 有効さ
  • 効率
  • 満足度

ユーザビリティの評価手法

ユービリティの評価手法は、大きく定性的手法と定量的手法に分かれます。

定性的手法とは、ウェブサイトやアプリの具体的な問題点を発見するために用います。

定量的手法とは、複数のプロトタイプから1つを選択する場合やUIを再設計した効果測定を行う場合に用います。

ウェブサイトやアプリの開発では主に定性的手法を用います。

具体的には、ユーザーにタスク(課題)を提示した上でウェブサイトやアプリのプロトタイプや実物を使用してもらい、ユーザーのタスク(課題)の実行過程、被験者の行動、発言からユーザインターフェース上の問題点を把握する等があります。

定性的手法には、「ユーザビリティテスト」と「ヒューリスティック調査」があります。

まずはユーザビリティテストが何かをご説明します。

ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストには2種類の手法があります。

  • ユーザビリティテスト
  • アイトラッキング

ユーザビリティテストとは、UIのユーザビリティの問題の抽出と原因探索をユーザー視点で行う手法です。

  • 問題の抽出
  • 問題の原因探索

問題の抽出とは、ユーザーのタスクの実行過程における失敗や混乱、さらに発話内容から具体的な問題点を明らかにすることです。

問題の原因探索とは、ユーザーを観察しながら、問題点の抽出とともに、その問題の深刻さ、頻出度などの推測をします。なぜ失敗したのか、なぜ不満を述べたのかを明らかにします。

またその際、思考発話法という手法を使用します。

思考発話法とは、ユーザにタスク(課題)を提示し、その実行過程において考えていることを話しながら操作してもらう手法です。

ユーザーの行動と発話から、UI上のどの部分に問題があるのか、なぜその問題が起きたのかを詳細に把握する手法が、ユーザビリティテストになります。

アイトラッキングとは、人間の視線の動きを追跡・分析することで、デザイン上の注意点の把握やUIの設計、レイアウトの検証に役立てることができる客観的な調査手法です。

下記のような評価に使用します。

  • デザイン評価
  • 印象評価
  • ユーザビリティテスト ※省略

デザイン評価とは、ウェブサイトのトップページや商品ページを見てもらい、よく見られている「部位」や見られている「順序」とを関連づけて分析します。デザインに対する評価になります。

印象評価とは、ユーザーが感じるパッと見の印象について、実際にどこを注視しているかを分析します。第一印象に対する評価になります。

ヒューリスティック調査

ヒューリスティック調査とは、専門家による知見に基づいて、使いやすさの観点からチェックを行い、抽出された問題点とその改善案について指摘を行なう評価手法です。

ユーザビリティテストと比べて評価範囲は柔軟に対応でき、評価期間が短く、比較的コストがかからないことが特長です。

まとめ

ここまでユーザビリティテストが何かを説明してきました。

話は本題の「もたらす価値」について戻します。

本題の「もらたす価値」が何かがおおよそ見当が付いているのではないでしょうか。

私の中では、ユーザビリティテストのもたらす価値は下記だと考えています。

  1. 短い時間と少ない労力で高い品質をもたらす
  2. 隠れたリスク(瑕疵)を減らせる
  3. 1と2より、結果ビジネスへの貢献度の確度が高い

もちろん、視点が異なれば価値も変わります。

社内への説得材料となりスピードアップという価値もあります。

「もたらす価値」はそれぞれありますので、こちらでは省略いたします。

 

最後に、弊社ご提供サービスの1つでもあるオンラインユーザビリティテストの実際の動画をアップいたします。

こちらでユーザビリティテストがどんなものかをご理解いただければ幸いです。

もしご興味ございましたら、お気軽にお申し付けくださいませ。