皆さま、商品やサービスが売れ悩んでいた際、どのようにして課題発見並びに問題解決へとアプローチされますでしょうか?

多くはアンケート調査などから統計的知見よりインサイトを導き出したり、昨今のビッグデータなどから同様な手法で導き出したりされるのではないでしょうか。

ただ、資本のある大手企業の場合、これらの調査に予算を投下することは出来ますが、中小企業の場合難しいかと思われます。

また中小企業の経営者はこれらの調査をコストと捉える方々が多く、マーケティング担当はいつも綱渡りな状態で施策の実施し、結果の良し悪しで検証されていることと思われます。

正直、不安な方も多いのではないでしょうか。

 

では、成功した理由、失敗した理由を明確にお答えできますでしょうか?

検証が出来ないから明確には答えることが出来ないと思ったことはございませんか。

検証は必ずしもテストや調査といわれる手法ばかりではありません。

普段の実施施策の際に検証設計をしていれば、理由は明確になっているはずです。

 

私はいつもご担当者様には直近の実施施策をヒアリングいたします。

現状(売上が伸び悩んでいる等)をどう捉え、どうやって課題を発見し、課題解決の施策が何で、その施策を実施し、結果どうなったのか、その結果に対してどういった見解なのか。

理由は、その施策結果が偶然だったのか、それとも必然だったのかを確かめるためです。

なぜ確かめるのか。

それはご担当者様が何を持って成功したのか、失敗したのか、どう定義付けされ、そしてどのような理論だったのかを知ることで、想定される問題並びに解決策を1つずつ消去できる=失敗する確率を抑えることができる=成功する確率が高まる為です。

きちんと目標の定義付けがあり、その上で理論があれば、理論のここが良かったから成功した、理論のここが間違っていたから失敗したなど、理論があるからこそ容易に原因究明が出来ますし、明確に答えることが出来ます。

 

例えば、リスティング広告ではA/Bテストなどを活用し、ターゲットユーザーのニーズが複数ある場合、そのニーズに合わせた広告、ランディングページを作成し、検証するという手法があります。

ただ、これで結果が良かったAが正解かというと、一概には言えません。

AとBの訪問者の数は同一なのかは良くある話ですが、テスト日の前後に地震などの出来事がなかったか、検索ボリュームが他の月と比べるとどのくらいの量なのかなどの外部環境も考慮した設計でなければ、Aが良かったという結果は偶然なのかもしれません。

偶然でも喜べることですが、また悩むことになるはずです。

 

「世の中には賢い人と運の良い人がいる。賢い人は手法を誇るが、運の良い人は結果を誇る。」

運の良い人は、また同じ成功をおさめることは難しいでしょう。

そう、手法=理論がないからです。

成功とは、偶然ではなく必然でなければなりません。

また再現性がなければならなりません。

 

ビジネスを運頼みの方はいらっしゃらないかと思われます。

戦略思考の技術は、この必然を実用的な事例を交えながらわかりやすく説明しています。

 

戦略的思考の技術_梶井厚志著