人の行動の多くは、無意識に行われていると言われています。
本人すら気付いていない行動を、アンケートやインタビューといった手法で、それも言葉として引き出すことは困難なことは言うまでもありません。
このような人の無意識の行動を、一定の体系に基いて幅広い視点で詳細に観察し、人間工学や心理学などを用いて解釈することで、行動の中に潜む言語化されていないニーズやスキルなどを見える化する調査のことを、行動観察調査と言います。
例えば、お客様の声。
お客様の声は、製品を購入する(過程含めた全てのプロセス)前に発生するでしょうか?
答えは明確ですね。
製品を購入した後に発生します。
お客様のクレームやお褒めお言葉も、全ては体験した後(過程含めた全てのプロセス)です。
よって、結果=行動履歴こそが、潜在意識も顕在意識も可視化された、最も信頼のおけるデータであると言うことができます。
行動履歴を分析すること=真実=事実と言うことができます。
行動観察調査にはいろんな調査手法がありますが、ユーザビリティテストという手法があります。
ユーザビリティテストを知る前に、まずはユーザビリティとは何かを理解する必要があります。
ユーザビリティとは、
ある製品が指定された利用者によって、指定された利用状況下で、指定された目的を達成する為に用いられる際の、有効さ、効率さ、利用者の満足度の度合を確認する為のもの。
と定義されていたりしますが、使いやすさを定義するのは大変難しく、定義もいくつか存在しています。
理由は、
- 製品特性
- 利用者
- 利用状況
以上のように、使いやすさは変化するからです。
ユーザビリティの定義で最も認知されているのは、
- ISO 9241-11における定義
- ユーザビリティエンジニアリング原論における定義
- ユーザ工学における定義
などを挙げることができます。
これらの定義は、また改めて投稿いたします。
では、ユーザビリティが何のか、おおよそご理解いただけたかと思いますが、
上記定義を紐と解くと、
- 指定された利用者
- 指定された利用状況下
- 指定された目的を達成する為
以上の3つのポイントがあります。
あるある話ですが、制作者や中の良い友人でユーザビリティテストをしましたとクライアントへ報告する制作会社が存在しますが、上記の3つのポイントが1つもふまえられていません。
これでは、テストではありません。
データの質そのものが問われます。
質が問われるということは、目標達成の確率が下がるということです。
ユーザビリティテストでは、上記環境を整える必要性があります。
その上で、
- 有効さ
- 効率さ
- 満足度
以上の3つの視点で評価します。
3つの視点は、
- 有効さとは、目的を完了することが出来るのか。
- 効率とは、気持ちよい時間内で行動を完了出来るのか。
- そして満足度とは、①と②を達成しても満足しない気持ちのこと。
と言い換えることが出来ます。
具体的にどんなテスト手法は下記になります。
- タスク達成度
- タスク達成時間(NE比分析)
- 主観的評価(アンケート分析)
その中でも、弊社ではNE比分析(Novice Expert Ratio Method)を実施します。
NE比分析とは、ある一定のタスクにおいて、熟練者と初心者の操作に要する時間をステップごとに比較し、ユーザービリティに問題のある箇所を把握する評価方法です。
特にペルソナ別に仮説したシナリオに対して、シナリオを達成するかの達成度、そしてシナリオを達成するまでの時間などをテストします。
例えば、セールバナーをサイト全ページに貼り付けているサイトを見かけることもありますが、セールが目的ではないユーザーにはノイズでしかありません。
弊社では、サイトリニューアルなどで作成したペルソナ、そしてシナリオの仮説の質がどうか、又はリニューアル前の現状把握段階などで調査しています。
テストや調査会社の存在。
あえて言うべきことではないかと思います。
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- パフォーマンス評価, ユーザビリティテスト, 定性調査