先日、人材派遣会社の方にお会いし、今のIT領域の各人材の市場価値について話をしました。

その中で特に運用型広告のスキル、経験がある者の引き合いが多いそうです。

理由は、昨年よりインハウス化(社内運用)を推進しているとのこと。

確かに、インターネット上でも募集広告を良く目にすることがあります。

同様に、受託側も強化している傾向が見受けられます。

電通は7月1日、電通内のデジタルマーケティングセンター、運用型広告専業会社のネクステッジ電通、そしてCRM(顧客関係管理)領域に強みを持つ電通イーマーケティングワンを統合した新会社、電通デジタルを設立する。 -2016年4月20日(水)日経デジタルマーケティングより-

実際、大手はインハウス化の流れがますます加速することと思われます。

またネットショップが企業の根幹を成す事業の企業もインハウス化の流れが進むのではないかと思われます。

しかし、中小企業ではサイトの更新などが優先事項となる為、まだまだデザイナー、コーダーの採用が多い状況は続くかと思われます。

このような流れの中より、運用型広告を委託した際に、トラブルにならないためのポイントを数回にわたりいくつかご紹介します。

本日は、アカウントの所有権になります。

 

アカウントの所有権、これは後々になってトラブルになります。

委託側はアカウントの作成方法がわからない。よって、受託側がアカウントを作成します。

ですが、新たに委託先へ運用型広告を依頼することになった際に、そこで初めて気付くことになります。

理由は、委託先がアカウントの所有者だからです。

委託先がアカウントを作成する理由は実はもう1つあります。

それは運用ノウハウ=これでお金をもらっている為、テクニックなどを見られたくないからです。

アカウントにはデータが残ります=運用ノウハウを見放題となる=ご担当者が学び、不必要と思われる。他にも競合他社にも見られてつつかれてしまい、信頼を失ってしまうなどの理由があります。

安くしてよ!=運用型広告の運用費用にアカウント構築なども全て含めますね!=安く提供しているから、こちらの運用しやすい環境でご理解ください=という暗黙の了解となっていることに注意が必要です。

委託者からすれば、お金を支払っているのだから、うちのモノだと思われることでしょう。

残念なことに、アカウントそのものの譲渡は出来ません。

いつも管理画面を見ている方もいらっしゃるかと思いますが、それは編集権限や表示権限などの権限を譲渡されているだけで、アカウントそのものの譲渡ではありません。

アカウントを譲渡してもらえなくても、新たな委託先を追加してもらえればと思われる方もいらっしゃることでしょう。

その場合、御社の運用型広告の情報は全て筒抜けです。情報が他社へ漏れる可能性もあります。

新たな委託先に変更される=アカウントを諦めることになります。

委託先はこのようなトラブルを過去経験している為、契約書にも抜け目がありません。

ご契約前に、契約書にきちんと目を通し、わからなければ専門家と弊社のような委託先へ相談されてもよいでしょう。

 

ここまでで、うちはどうなのか、確認しようと思われた方も多いのではないでしょうか。

アカウントの所有権を確認する方法をご存知でしょうか?

前任者から引き継いだアカウントの所有権はどちらなのかわからないですよね。

実はアカウントの所有権がどちらにあるのか、ツール上ではわかりません。

アカウントの登録の際、アカウント名称などのラベルで工夫するしかありません。

よって、それらをきちんとルール付けして実行してなければ、委託先に確認するしか方法がありません。

どちらに所有権があるのか、先を見据えてきちんと管理する必要があります。

 

最後に、アカウントは資産であることを初めに理解しておく必要があります。

アカウントを諦めること=資産をドブに捨てることに他なりません。

簡単にアカウントを諦めてはいけません。

仮に1年、委託先を試行錯誤して運用してきた場合、1年の試行錯誤のノウハウがそこにはデータとして存在しています。

試行錯誤したノウハウが全て詰っています。

新たな委託先が過去と同じ過ちを犯す可能性が高くなります。

また、より高いパフォーマンスをお届けするにも時間がかかってしまう可能性も高くなります。

データが存在することで、過去の資産を活かし、過去よりも更に高いパフォーマンスを目指すには、アカウント内のデータはとても有効です。

アカウントを諦める前に、必要であろうデータをエクスポートしてもらい、資産を確保することをオススメします。

 

何事も初めが肝心と言いますが、アカウントの所有権1つとっても慎重に検討する必要があります。

第2回はアカウントへの各種権限譲渡に関するリスクについてです。